2011年3月18日金曜日

尋常じゃない状況では、尋常じゃない判断をしてしまう。

注意: 割かしどうでもいい話です。いわば息抜き。でも、教訓はあるはずだと思っています。

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現在、非常に緊張した状況下におられる方が多くいらっしゃると思います。坊主も、京都にいながらにして、震災からこっち、軽いパニック状態にあったと自覚しています。
そうした「焦り」の状態にある時には、誤解をしがちなんじゃないかというお話。


昨日のことですが、坊主の職場に変わった人物が登場しました。
坊主が2階の廊下を歩いていると、ある先生の部屋の前に立つ一人の初老の男性を発見。手には何やら古そうな本をお持ちです。
その男性、その古い本を開きつつ、何やら声を発しておられます。

「$#★#""?*ぬぉ~♪ #"$%ぇ0~♪」

いやもう、全然聞き取れませんでした。

しかし坊主は確信しました。「お経」だと。

さっそくオフィスに戻り、その場にいた人々に報告。「お経を読んでいる人がいます!」


しかし後に判明しました。実はこの男性、能の勉強会にいらした方で、その予習に能のナニガシカ(すみません、よく知りません)を朗読されていたのだとか。全然お経じゃない。この事実は、センターの職員が本人に確認した結果、判明したのでした。

さて、この間抜けな話は、何を示しているか。

①焦っていると、ろくな情報処理をしない。すぐ誤解する。
(厳密には、焦っていない状況と比較しないでは結論を出せませんけど)

②こうしてガセネタは生まれ、人に伝えられる。

③しかし、勇気と手間をかけて確認すれば、事実は明らかになる(ことがある)。


本当に、失礼いたしました。

2011年3月17日木曜日

「買い貯め」が始まってしまったら

非常に僭越ながら、社会科学者としての知識と思考を、ただの直感と混ぜつつ、私見を述べました。ただの直感を混ぜているあたり、プロとしての責任感に欠けます。また、あたかも買い貯めを是認するようなことも述べており、そこに懸念もあります。ですが、とりあえず、現時点で述べるべきと信じたことをば。

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結局 言いたいことのポイント
①つい買い貯めてしまってふと我にかえったら、ためらわずに人にあげることを考えてみてほしいです。

②買い貯めたくなるような「品薄」状況は、実はみんなで作り出している幻です。

③一人ではそれに抵抗することは難しいですけど、できるだけ多くの人と話す中で、「買い貯めさえしなければ、実は品薄なんか起こらない」ことを互いに確認し、その理解を共有してほしいです。


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買い貯めは、非常に残念ながら、始まってしまったら止めるのが困難です。買い貯めが始まった後に、道徳的見地から「やめましょう」と説得しても効果を持ちにくい恐れが高いと思われます。なぜなら、将来の品薄を懸念しての買い貯めが品薄を現実のものにしてしまうし、恐らく多くの人々はそのことにどこかで気づいているからです。

だから、「始まってしまったら」止まらない。このことを隠して道徳的に説得することはフェアではないし、効果を持ちにくいと坊主は感じます。


坊主はむしろ、不安に駆られてすでに買い貯めをしてしまった人に、そしてどうしても買い貯めしたくなる気持ちを抑えられない人に、「再分配」の可能性について考えてほしいと思うのです。

不安があるうちは難しいと思います。ですが、状況は刻一刻と変化し、ふと不安も薄らぐことがあると思います。ふと自分が(本来は無用のはずの)不安に駆られていたことに気がついた時、周囲の人に、余った分を譲ることを考えてみてほしいのです。きっと、色々な形で再分配はできると思うのです。電池とか、自己放電してしまうし、たくさん持っていたって仕方ない。

同時に、「そもそも買い貯めを始めない」努力は、もちろんのことながら物凄く重要です。誰か一人が始めたら、その分だけ買い貯めが加速します。

そして不幸にも買い貯めが始まってしまったら、そこで重要になるのは、「一人ではどうにもできない」ことを理解することだと思うのです。

昔のオイルショックの時のように、買い貯めそのものが品薄の不安を現実のものにしてしまう。買い貯めをしなければ品薄にはならず、そもそも買い貯めをする必要などない。そのことを、できるだけ多くの人々と話して、「買い貯めをする必要などない」という理解を皆で共有する必要があると思うのです。

人と話してください。「『品薄』にしているのは、自分たち自身だ」「買い貯めさえしなければ、そもそも品薄なんか起こらない」ということを皆で共有できれば、買い貯めなどそもそも起こる必要はないはずなのです。


買い貯め(買い占め)に関しては、辻竜平さんのブログも参照してください。
また、「品薄状態は社会的現実である(=自分たち自身で作り出している)」ことに関しては、中西大輔さんのブログを参照してください。

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コメント・訂正・その他、有り難く頂戴します。緊迫した状況が続き、「人の出す情報に水をさしてはいかん」と考えてくださる向きもあるかと思います。また、異論を提示することで、他の読者(特にアカデミアではない人)が混乱してはいけないと思ってくださる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、坊主思うに、難しい状況だからこそ、分かりやさすよりも一貫性よりも何よりも「正確さ」が重視されるのではないかと。
そんなこと言う割りに、検証を経ていない直感も混ぜて書いておりますが、正しいと信じてはいます。ですが、だからこそ、フィードバックは必要だとも思っております。